
渡辺 重治
ワタナベ シゲハル
名古屋オフィス
2010年6月29日
今年の4月に、世界的な免疫学の権威である東大名誉教授、多田富雄さんが亡くなられました。
多田先生は、免疫学における「寛容」という視点で社会の様々な出来事を捉え、
私たちがこれからいかに生きていくべきかを世に問い続けた人としても有名です。
免疫とは、人間の体の中に異物(ウイルスとか)が入ってきたとき、
それを排除しようと攻撃する働きのことです。
しかし、いつも排除しようとしていると体そのものを壊してしまう事があります。
そこで人体に害を及ぼさない異物であれば、
排除するのではなく、共存するという作用をすることがあるそうです。
この現象を「寛容(免疫寛容)」というのだそうです。
多田先生は、この「寛容」という考え方を繰り返し世に説いてきました。
例えば、湾岸戦争の際には
「ブッシュ大統領は免疫みたいな事をせず、もっと寛容の精神を持つべきだ」
というような事を仰ったそうです。
自分(自国)にとって受け入れがたい人々を徹底的に排除しようと攻撃するのではなく、
もっと相手を受け入れ共存する努力をすべきだと。
この世界には宗教や民族、イデオロギーなど様々な対立が存在します。
もっと身近なレベルでも、いじめとか、パワハラとか、
自分にとって理解できない、受け入れがたいというだけで、
徹底的に相手を排除しようとする行いが絶える事がありません・・・。
排除するのではなく、受け入れて共存する事。
それは体の中で普通に実現できている現象です。
ならば、実生活・実社会でも「寛容」してみようではありませんか。
う~ん、ステキな考え方だな・・・・。
多田先生、素晴らしいです。
転職支援の仕事をしていると、
実に様々な考え方の人に出会います。
私にとって受け入れがたい価値観の人とも出会いますが、
それが転職活動に支障をきたすものでない限り、
(「面接は私服で行っても良いっスか?」とか)
一切否定することなく、聞き入るようにしています。
カウンセリングの世界では「傾聴」と言ったりするんですが、
「寛容」の方が、深みがあるように思われます。
ところで話は代わって、私の住んでいる地区では、
隔週水曜日が不燃ゴミの回収日になっています。
ある日、私の住んでいるアパートの脇の電柱に、
ガラクタがいっぱい詰まったゴミ袋が投棄されていました。
そのゴミ袋はあくる日も、またそのあくる日も、雨が降っても、泥だらけになっても
アパートの脇の電柱に置かれたまま。
その電柱は近所のみなさんのゴミ捨て場には間違いないのですが、
不燃ゴミの回収日は再来週の水曜日なんです。
それまで毎日家を出るたびにゴミ袋を見る気分。
そうこうしているうちに、ゴミが追加投棄されていました。
今度は子供用の一輪車です。
私のアパートには子供のいる世帯はありません。
誰かこのアパートの住人以外の人が、
わざわざ他所のゴミ捨て場に回収日を無視してゴミを捨てに来ている事になります。
多田先生、こういう時はどうすれば良いのでしょう?
免疫すべきか、寛容すべきか。
ていうか、コレ、ウチのアパートが免疫されちゃってるんじゃないの?
生きていくのは難しいですね。