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山本 倫儀(ヤマモト ノリヨシ)
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2008年9月の転職コラム

2008年9月24日

捨てる勇気と技術

好調をキープして、成績に波がない人ほど、捨てる勇気と技術があると思います。
最近は棋士としてだけでなく、ビジネスマン向けの著書も多い、羽生善治さんが
以前おっしゃっていたコメントがとても印象に残っています。

「一局指してノーミス・完璧だったことという日はほとんどない」
「負けることを考慮し、失敗とうまく付き合わなければならない」

完璧にしよう、できる限りのことはしようと試み、あれこれ手を付けてはみるものの、
結局実りは少ないことが多くありませんか。 
負けを受け入れ、そこから立ち直り、どれくらい失敗できるのかを冷静に考えられる
人が優秀な人であり、サラリーマンであれば組織への貢献度が高いといえるでしょう。
人間は完璧な生き物ではないからこそ、限られたエネルギーを重要な商談や面接に
持ってくるために、緩めたり、負けたりするポイントを意識することが重要なのかもしれません。 

1つ1つの勝ち負けももちろん大事ですが、安定的な結果を残すためには、俯瞰して物事を捉え、
どこが1日・1週間・1年間・サラリーマン人生約40年間の中で、力の入れ時(=ONの状態)
なのかを冷静に判断し、行動に移す勇気と技術が求められます。 


さて、転職という人生の重要な分岐点では、転職で得られるもの、失うものをきちんと
整理しなければなりません。 

例えば、自分の理想像と現在のキャリア・スキルとに距離がある場合には、
一足飛びに理想像へと向かうよりも、業界や仕事内容に慣れるために、一旦給与や
休暇といった条件面で「負けて」でも、その業界や仕事内容を熟知する機会を設けるべきです。
実力をつけた上で、より良い環境に転職(=勝つ)すれば、結果的に収入面や仕事内容面でも
理想に近づけることができます。

既に持っている大事な「何か」を、一旦でも捨てるのはとても勇気が要ることですが、
自分自身を成長させたければ、「何を」「いつ」捨てるかについて、転職活動を始める前に
じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。