
山本 倫儀
ヤマモト ノリヨシ
首都圏オフィス
2008年11月の転職コラム
2008年11月27日
私が人材ビジネス業界に入ったのは、8年前の2000年でした。
経験が無かったが故に強烈に覚えているのが、この年、日本の大手流通企業や
大手自動車メーカーなどで早期退職制度を導入すると発表したことでした。
早期退職制度:
希望退職制度の一手法で、退職金などを優遇する代わりに、定年前に退職を促す制度のこと。
日本の雇用関係において人件費に踏み込むこと、もっと言えば雇用に踏み込むことは、
なるべくならば公に話したくないタブー視されたことでしたが、1990年代後半からの景気悪化の
流れが止まらず、次々と年齢の高い(年収の高い)人材のリストラを行う企業が出てきました。
経験の浅い私が、そうした30代後半から50代の人生の先輩ともいえる方々との面談を
行っていたため、業界のことや大手企業の仕事の進め方・常識など、逆に教えてもらうことも多かったです。
しかし面談を重ねるうちに、同じ会社の早期退職制度を利用して転職活動をしていても、早めに
次の活躍の場を決めて次の会社でも活躍する方と、なかなか内定が出ず何度も連絡をいただく
2つのタイプに分かれることがわかってきました。
同じ会社、同じようなキャリア・年齢なのに…。なぜ?
それは退職という人生の大きな転機で、きちんと「マインド」がリセットされているかどうかの違いでした。
大手有名企業にいたAさんは、自分の歩んできたサラリーマン人生に自信を持っており、面接でも
前の会社の仕事の進め方に固執している様子が伺えました。
Aさんの転職活動が難航したことは言うまでもありません。
同じ企業にいたBさんは「自分のこれまでの成績は自分自身のものではなく、所属していた会社の
看板が生み出してくれたもの。だから今後は自分の力で売れるものを、社員全員の顔がわかる程度の
規模の会社で売って行きたい」と初めての面談でさらりと、ある種爽やかにおっしゃっていました。
2週間も経たないうちに明るい声のBさんから次の活躍の場が決まったとの連絡がありました。
当時顧客としてお付き合いのあった中小企業の社長がおっしゃっていた言葉が忘れられません。
「大手企業のノウハウや、大手企業出身者の人脈は欲しい。でも『前の会社は…』と、ふた言目には
出てくるような人材だと、既存社員の士気は下がる。人間の能力なんてそれほど大きな差はないから、
気持ち(=マインド)の部分を中小企業用にリセットして是非紹介して下さい。」