首都圏でも1・2位を争うほど混雑する電車で通勤しています。
途中までは何とか読めた新聞も、新宿駅が近づくにつれて、開くことさえ困難になります。
何もすることがなくて、ふと出入り口付近にある広告に目をやると大手外資系銀行の
広告がありました。
30歳前後と思われるカップルが草むらに寝そべっていて、少しまぶしそうな様子で
空を眺めている写真があり、その近くには「あなたの大切な資産を大事に育てましょう」と
いった趣旨のコメントが書いてあります。
この車内広告が電車の出入り口付近に張られるまで、何人の人が
どんなかかわり方をしたのかと、自然と想像をめぐらしてしまいます。
「写真撮影の当日、モデルは他の仕事も前後に入っており、バタバタと
カメラマンの指示にしたがって写真を撮ったのではないかな。」
「外資系銀行の広告担当者は広告代理店の営業との打ち合わせで、
『この時期のキャンペーンですので、イメージはこんな感じ。ターゲット層は…』
なんて、随分前に打ち合わせを重ねたのだろうな。」
「銀行内でも、先の読めない景況感の中、年利率をどれくらいに
設定するか締め切りギリギリまで議論されたのではないかな。」 などなど。
いつからこんな想像をめぐらせるようになったか記憶は定かではないですが、
人材紹介の仕事が長くなり、様々な業界の裏事情や仕組みがある程度
わかってきて、実は1つのものができ上がるには、多くの人がかかわって
いることに気付き、驚くことが多かったせいかもしれません。
学生時代の友人と話すときに、自分では当たり前と思っている仕事の
話を少ししただけで驚かれたり、感心されることが多いのと同様に、
友人から業界の裏事情を聞くとワクワクする自分がいます。
この世の中は自分が知らない仕組みが多く存在し、駆け引きがあり、
それを前提に動いた結果の一部を目にしているだけに過ぎないと思うと、
もっともっといろいろな人と話し、ホンネとタテマエ、そして「自分と仕事のかかわり」を
どう捉えているかについて聞いてみたいと思ってしまうのです。
これって職業病でしょうか?
楽しい・嬉しいというキーワードでイメージされることの多い仕事に潜む本当の辛さや、
普通の人が大変だ・辛いと思うような仕事に隠れている充実感は何なのか。
想像ではなく、現場にいる人の生コメントを聞き、本質をつかんだ上で、
コンサルティンングの場でもお話していければと思っています。