自由というよりも、選択肢が多い環境と置き換えた方がいいかもしれません。
一般的に経済学では、財や仕事の選択肢が増えれば増えるほど人々は幸福になると考えます。
しかし、最近の社会心理学の研究では、家族を持ったり、宗教的に縛りがある人達のほうが、
平均的に幸福感を感じることが多いという分析結果をまとめていて、私としては妙に納得してしまいました。
選択肢が広がったときの「最大化行動」を取る人は、後悔したくないから常に最善の選択を心がけ、
選択した後もそれが最善であったかチェックするという行動を取ってしまい、かえって不幸になって
しまことがある、ということです。
ちなみに、反対の概念は「満足化行動」で、自分で設定したある基準を超えているとそれで
満足するという行動様式のことを指します。
「諦め」とはまた意味あいが違う、この意識を持てるようになるには、自分で選択した経験を持ち、
そして失敗したり、成功したりする「ある程度の時間」が必要なのかもしれません。
また、幸福のためには、自分にとって重要なこととそうでないことを分けて最大化行動を
取るべき分野を選んでおくことが必要なのでしょう。
ここで、
20代で転職が初めてというAさんと、
30代後半で扶養家族が3人。転職は4回目というBさん
がいたとしましょう。
Aさんは数多く企業の面接を受け、内定も複数出て、かなり迷いながらも転職をしました。
しかし、そもそも前の会社を本当に辞める必要があったのかというところから、
次の会社で悩んでしまいました。
Bさんは応募できる企業が2社で、面接に進んだのも1社でしたが、見事その会社から
内定を勝ち得て入社しました。年収は数十万ダウンしたものの残業時間は大幅に減り、
家族と過ごす時間は増え、雰囲気の良いその会社からも将来の幹部候補としてじっくり
頑張って欲しいといわれています。
幸福を最大化しようとする「最大化行動」がときに自分を苦しめてしまうこと、
それを自覚するのは難しいのかもしれません。
でも、少し視点を変えてみると「満足化行動」が取れるものです。
「縛り」や「行動の制約」は誰しも望まないことですが、そのおかげで気づけることも実は多く、
また「選択肢の多さから解放されるという幸福」も存在することを理解した人は強いと思います。